軍事政権から民事政権に「制度」が劇的に変わるミャンマーに飛び込む。「弁護士」資格があることが海外に出る障壁に、そこにチャンスを見出した発想とは。

【Vol.8-2 SAGA国際法律事務所 代表弁護士 堤雄史氏キャリア編】

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MYGOAL 第8回目のインタビューは、SAGA国際法律事務所 代表弁護士 堤雄史さん。

学生時代、開発途上国で出会った貧しい人を助けたいと弁護士になることを決意された堤さん。 2010年に日本の弁護士資格を取得された後、アジア最後のフロンティアとして注目されるミャンマーにて独立され、アジア新興国に展開する法律事務所の代表をされていらっしゃいます。 また弁護士というお堅いイメージとは裏腹に、学生時代からバックパックで世界を周られ、その滞在国は90か国以上とのこと!

堤さんのキャリアについて、そして私たち学生にむけてのアツい言葉をたくさんいただいたので、ぜひ読んでください!!

《SAGA国際法律事務所 代表弁護士 堤雄史氏 インタビュー記事一覧》

  1. キャリア編 学生時代から海外バックパック!その滞在国はなんと90か国以上!旅での出会いから導かれた「弁護士」という自分の進むべき道  
  2. キャリア編 軍事政権から民事政権に「制度」が劇的に変わるミャンマーに飛び込む。「弁護士」資格があることが海外に出る障壁に、そこにチャンスを見出した発想とは。 ←今ココ
  3. 学生にむけて編 0から自分自身で勉強して苦労をしながら何かを身につけるのは、すごく大事なこと。ただ、お手本となるような内容やビジネスマナーというのは、最初から会社で学んだ方が良い。 

ミャンマーとのつながり。

エイミー:司法試験に合格された後は、どういった進路を進まれたのですか?

堤さん:当時、僕は英語がそんなにできるわけではなく、でも絶対に今後英語のスキルが必要だと思っていたので、4大法律事務所の中でも英語案件を多く扱う国際的な事務所に入りました。

エイミー:最初の弁護士事務所で働かれていた際、ミャンマーについての論文を執筆されたり、セミナーをされていたとのことですが、そのミャンマーとのつながりは何だったのでしょうか?

堤さん:ミャンマーとタイの国境の地域に行く機会があったんです。それが2011年の夏。ちょうどミャンマーが民主化して数か月という時で、そこでミャンマーの国全体が急激に変わろうとしているのを肌で感じたんですね。

国の転換期に立ち会うチャンスは自分の人生で今後ない。ミャンマーの変化を自分の目で見て、肌で感じたい。

エイミー:国全体が急激に変わる、ですか。

堤さんカンボジアやベトナムのように国が「経済」発展して変わる、ではなくて、軍事政権から民事政権に「制度」が劇的に変わると。このような国の転換期に立ち会うチャンスは、今後自分の人生でないだろうと思ったんです。それがきっかけで日本に戻って事務所内でミャンマー業務に携わりたいと言っていると、まずは手始めにミャンマーについての論文を執筆したり、セミナーをする機会を頂けるようになりました。

ただ法律の運用というのは実際の法律とは違うことがあり、それは実際に現地に行ってみないとわからないんです。ミャンマーの現地を見ずに、日本でミャンマーのセミナーをすることに虚しさを感じるようになっていきました。

同時に法曹業界でもアジアに展開しようという流れがあったので、現地ミャンマーに行こうと決め、ヤンゴン支店のある弁護士事務所に移籍し、ミャンマーに移りました。それが2012年のことです。そこから2年ほど働いて2015年の1月に退職し、2015年の3月に独立しました。

最初にどれだけ頑張ったかで、その後の伸びしろが決まる。

エイミー:ミャンマーに来られた当時、朝9時から昼14時までヤンゴン外国語大学でミャンマー語の勉強。そして15時から深夜まで弁護士事務所働いていたということをお聞きしまして、すごいバイタリティーだなあと思ったのですが・・。

堤さん:日本で弁護士として働いていた時から、働く時間は長かったです。特殊な業界なので、あまりご存知ないと思うのですが、日本の大手の弁護士事務所は、皆朝9.10時から夜の2.3時まで働いています。僕もそういうのがわかった上で最初の事務所に入りました。

ブラック企業とはまた別ですね。最初にどれだけ頑張ったかで、その後の伸びしろが決まる、と業界では言われていて。最初どんなところで働いたのかで社会人としての型が作られるんです。実際にそれは本当で。僕自身最初にちゃんとした仕事を上司からきちんと教えてもらった経験が、今本当に生きていると実感します。

弁護士という仕事。

エイミー:弁護士のお仕事のやりがいを教えてください。

堤さん法律というのは、使い方をきちんと理解すれば、一番強い武器なんですよね。何か問題が起こった時に、最終的なトラブルの解決は法律なので。法律云々の話をするだけで悪徳業者もしゅんとなるといいますか。法律を知らないことによって泣き寝入りしている方々を助けられるという意味では、やっぱり弁護士は強い職業の1つだと思います。

弁護士の仕事自体にやりがいがありますし、こうやって海外に来ても資格は消えないので、よく言われますけど、女性の方にもオススメですね。出産などで一旦辞めても、戻って働くことができますし。資格は強いですね。

資格があることが海外に出る際に障壁となっている。そこにチャンスを見出すこと。

エイミー:海外に出て仕事がしたい!という弁護士さんは多いのでしょうか?

堤さん少ないですね・・あくまでも日本でやりたいと。いるとしても欧米に気持ちが向いているのかなと思います。ちなみに弁護士は日本の資格で、日本の法律を扱える資格であって、ミャンマーの法律については、ミャンマー人のみがミャンマーの弁護士資格を取得でき、外国人は外国の弁護士資格があってもなくてもミャンマーの資格がないという意味では同じです。ミャンマーでの法律のアドバイスに関して言えば、裁判を扱う場合には弁護士資格が必要ですが、助言などは資格が不要なコンサルタントのような領域としてミャンマーでは取り扱われています。せっかく弁護士になって日本で仕事ができるのなら、あえて海外に出るという選択肢を考える人は少ないと思います。そもそも職種的に保守的な人が多いですし、資格があるために、逆にそれが海外に出る際に障壁となっているんだと思います。

ただ、それは企業に取っても障壁なんです。日本と海外の法律は違うので、特に中小企業は法的手続きの方法がわからなかったり、英語が苦手であったりと、海外にどう進出していいのかわからない、となってしまっていて。大手の法律事務所を誰でも使えるかというと費用が高いですし。それでどこにも相談しないまま海外に来て、トラブルが発生してしまい、その対処に余計な費用を払うことに・・ということが起こってしまう。

そんな風に中小企業の方こそ、大手企業よりも法律事務所の力が必要だと思ってるんです。だから中小企業でも頼みやすいような価格帯で、でも質を落とさずに、という法律事務所を始めました。始めたら思っていた以上に需要があり、他の国でも同じように需要が多いと思い、今後もそのような国で拡大していきたいと思います。

つづき!

0から自分自身で勉強して苦労をしながら何かを身につけるのは、すごく大事なこと。それを踏まえた上で「何か独立してやりたい!」という学生に堤さんが勧める進路選択とは

何かを0から自分自身で勉強して、苦労をしながら身につけるのは、すごく大事なことだと思います。ただ、お手本となるような内容やビジネスマナーというのは、最初から会社で学んだ方が良いこともあります。何か独立してやりたいという学生さんには、日本企業で数年しっかり学ぶ方がむしろ近道だと思います。会社に数年いることは損ではないです。それが日本でも海外でもいいんですけど、どこかで誰かちゃんとした人に学んでほしいと思います。

SAGA国際法律事務所 代表弁護士 堤雄史氏キャリア編より

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